鼻は匂いを嗅ぐだけではなく、鼻から入ってくる細菌やウイルスなどの体内への侵入も防ぎます。鼻水や鼻づまり、くしゃみ、においがわからない、鼻がくさい、鼻血が出やすいなどの症状が現れましたら、早めにご相談ください。
耳

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎はくしゃみ、鼻水、鼻づまりの3つの症状を生じる病気で、同時に目のかゆみ、のどのかゆみ、咳などほかの症状も出ることがあります。若い人だけでなく年配の人でも発症する可能性のある病気です。原因としては、アレルギーの元となる物質が鼻の粘膜に付着し反応を起こし症状がでます。治療として当院では、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ摂取していくことによって徐々にアレルギー症状が出にくい体質に変えていく、減感作療法(免疫療法)も行っています。

花粉症

花粉症は、植物の花粉が原因でおこるアレルギー性疾患です。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが主な症状ですが、この他に咳、のどの痛みや違和感、頭痛、発熱、頭重感、皮膚の発疹などの様々な症状が見られます。花粉が鼻に入ってきた場合、花粉を洗い流すために鼻水がたくさん出てきたり、奥に花粉が入っていかないように鼻の粘膜が腫れるため鼻づまりが起こります。

原因

前述の通り、植物の花粉が原因ですが、主に春はスギやヒノキ、秋にはイネ科の植物、よもぎ、ブタクサなど年間を通して、さまざまな花粉によりアレルギーをおこします。花粉症を発症しやすい人は、遺伝的にアレルギー体質であることが主な原因で、家族で花粉症の人がいる場合、発症しやすい傾向にあります。また、食生活が乱れていたり、不規則な生活、ストレスなども原因といわれています。

風邪との違い

花粉症も風邪も、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりといった鼻の症状があり、同じような症状が出るので違いが分かりづらいかもしれません。特に花粉症の経験がなく初めて発症した場合、熱っぽく倦怠感が現れると風邪と勘違いしやすいと思います。微熱程度で悪寒がなければ花粉症、熱が高く悪寒がすれば風邪の可能性が高いでしょう。この他にも、風邪のくしゃみは冷たい空気を吸い込んだときなどに1~2回出るくらいで連発で出ることは珍しく、花粉症の場合は、くしゃみを何度も連発します。鼻水も、風邪のときは黄色っぽく粘り気がありますが、花粉症の場合は透明でサラっとしているのが特徴です。また、目や皮膚の痒みがある場合も花粉症の症状の1つです。風邪薬を服用してもなかなか症状が良くならない場合は、一度ご相談ください。

治療方法

当院では、皮下注射による方法や舌下免疫(内服)による治療方法を行います。詳しくはアレルギー性鼻炎をご覧ください。また、花粉が多く飛散する時期の対策として、外出時には、できるだけ花粉を避けることが大切です。花粉が多く飛散する時期や時間帯の外出は極力控えるようにし、外出時はサングラスやメガネ、マスク、帽子を着用しましょう。花粉が付きにくく、落としやすい服装を心がけるとよいでしょう。帰宅後も、玄関に入る前に花粉をしっかり落とし、うがいや顔を洗いましょう。

副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎はいわゆる蓄膿症と呼ばれる病気です。
黄色の鼻汁がのどに流れる、鼻の中から臭い匂いがする、ひどくなると頬の痛みやおでこの痛みなどが出現します。また、37度前半の微熱が出たり、繰り返すのど風邪の原因ともなります。また、非常に稀ですが急激に悪くなり失明の原因となることもあります。

治療について

現在世界共通のスタンダードな治療法として、抗生剤の少量長期投与が推奨されています。
方法としては、マクロライド系という抗生剤を通常量の半分量で2ヶ月〜3ヶ月内服していただきます。レントゲンにて程度が軽い場合は1ヶ月ほど内服していただければ大丈夫な場合もあります。
少量長期投与のポイントは、抗生剤を間隔を開けずに内服し続けることです。間隔を開けてしまうとその間にそれまでの治療で減少した膿がまた増加してそれまでの治療が台無しになります。そのため必ずお薬がなくなる前に再度受診してください。
抗生剤を長期間のみ続ける事に不安がある方もいらっしゃるとは思いますが、半量のためほとんど体調に影響することはありません。しかし、内服により体調に変化がある場合はご気軽に当院までご連絡ください
また、アレルギー性鼻炎の症状が一緒にある場合は、慢性副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎は相関関係があるため慢性副鼻腔炎の治療が上手くいかない場合もあります。そのため、一緒に抗アレルギー薬の内服や点鼻薬を併用する場合もあります
去痰薬(ムコダイン、カルボシステイン)も膿汁排泄に有効なため併用させていただきます。

通院間隔について

当院では症状や患者さんのご都合によって2週間ごとや1ヶ月ごとの通院としております。症状が非常に強い場合などは1週間後に再来していただく場合もあります。

治療後評価について

基本的な治療期間である2ヶ月後に再度鼻レントゲンにより評価します。それでも改善ない場合はもう1ヶ月内服していただき再度レントゲンもしくはCTにて治療後の再評価をします。CTにて慢性副鼻腔炎ではなく副鼻腔真菌症や腫瘍やポリープなどを疑う場合は手術が必要となる場合もありますのでご相談しましょう。
CT撮影する場合は、隣接のまえだ脳神経外科にてCTのみ撮影していただきます。手続きについてはその際にご説明いたします。