アレルギー性鼻炎
あいりお耳鼻科では、アレルギー性鼻炎の根本治療である減感作療法(免疫療法)を行っています。

減感作療法(免疫療法)って何?

減感作療法とは、アレルギー症状を起こす原因物質(花粉症の場合はスギ花粉など)を体内に入れ、徐々に増やしていくことでそれに対する過敏な反応を減らしていこうという治療法で、現在のところアレルギー性鼻炎に対する唯一の根治療法です。
減感作療法の方法は、皮下注射による方法と舌下免疫療法という内服の方法があります。

皮下注射による方法

原因物質のエキスを少しずつ注射していく方法です。

治療対象となるアレルギー物質

ハウスダスト・ダニ、スギ花粉

治療のスケジュール

通常は導入療法として週に1〜2回注射を3ヶ月から半年ほど続け、さらに維持療法として月に1〜2回の注射を半年続けます。治療終了後にも効果が続く患者さんが多いことが知られています。治療期間は、3〜4年です。
1週間に1回 37週
2週間に1回 10回
→約1年ほど経過
1ヶ月に1回 10回
2ヶ月に1回 10回
3ヶ月に1回 できるだけ継続

効果

有効率は約80%で、半数以上の患者さんは薬を減量できたり、あるいは薬を必要とせず生活には支障が見られなくなります。

注意点

約500回に1回の注射でアレルギー症状(注射した部位の腫れや喘息のような息苦しさなど)を生じることがあります。きわめてまれに、血圧低下などのショック症状が起こるという報告もあります。そのため、注射後15分間は待合室で様子を見ます。
また、頻繁に通院する必要があること、即効性がないこと、決して100%の患者さんに有効でないこと(どんな治療法でも同じですが)があります。

舌下免疫(内服)による方法

原因物質を含んだ錠剤を毎日服用する方法です。

治療対象となるアレルギー物質

ハウスダスト・ダニ、スギ花粉

治療のスケジュール

原因物質を含んだ錠剤を舌下に数分間保持した後、飲み込みます。ご自宅で1日1回の服用を毎日継続していただきます。治療期間は、3〜4年です。

効果

有効率は約70%で、個人の体質によりますが、2週目くらいから徐々に効果が現れ始め、約2~3ヶ月で効果を感じられるようになります。

注意点

きわめてまれに、アレルギー症状(口内のかゆみや腫れ、喘息のような息苦しさなど)を生じることがあります。副作用は、特に服用後30分、開始初期1ヶ月、花粉が飛散している時期に起こりやすいといわれています。

減感作療法の種類と特徴

減感作療法の種類 皮下注射 舌下免疫(内服)
治療可能なアレルギー ハウスダスト・ダニ、スギ花粉 ハウスダスト・ダニ、スギ花粉
対象年齢 注射可能な年齢から(できれば5歳以上) 5歳以上
投与方法 皮膚の下に細い針で注射する 舌の下に溶ける薬剤を置く
治療期間 3〜4年 3〜4年
来院頻度 1週間に1回を37週
2週間に1回を10回→約1年ほど経過
1ヶ月に1回を10回
2ヶ月に1回を10回
3ヶ月に1回でできるだけ継続
最初の1週間で再来
それ以後は1ヶ月ごとでできるだけ継続
費用(3割負担)
1回につき、約400円
※調剤薬局での処方薬がない場合
最初は毎週通院し、1か月で約1,600円
初年度は、年間約19,200円
2年目以降は1~3ヶ月の通院で、年間約1,600円~4,800円
クリニックで1回につき、約600円
調剤薬局でシダトレンは約1,700円ミティキュアは約2,200円
月1回の受診で、クリニックと調剤薬局を合わせて、1か月約2,300~2,800円(年間約30,000円前後)
治療効果 有効率約80% 有効率約70%
長所 毎日内服する必要なし
費用が非常に安い
直後の観察がクリニックで可能で安全
治療効果が高い
最終的に通院は3ヶ月ごとと少なくなる
通院が最初から1ヶ月でいい
全国どの耳鼻科でもだいたい可能
(転居しても続けやすい)
短所 最初は通院頻度が多い
注射ができないと厳しい
毎日内服する必要あり
内服間隔が数日開くと副作用出やすい
費用が高い
治療効果は皮下注射より低い印象
(途中で皮下注射へ変更する人もいる)
こういう方におすすめ
・最初は頻回でも通院可能な方
・内服を毎日根気強くするのができない方
・費用をできるだけ抑えたい方
→小児や兄弟、親子で治療を始めたい方
社会人でも確実にアレルギーを治したい方
・真面目に毎日内服できる方
・費用は気にしない方
・最初から頻回な通院はできない方
・転居の予定がある方
→社会人、中学生以上の学生さん